不正咬合の種類

Type of malocclusion

前歯が出ている

出っ歯(上顎前突)とは

出っ歯(上顎前突)とは、上顎の歯列が前方に突き出た状態を指します。特徴として、前歯が飛び出し、上唇が前に突き出て見えることが挙げられます。この状態は、遺伝的な要因や顎の成長によるものがあります。

出っ歯の弊害としては、噛み合わせの不調や発音の障害、歯並びの乱れによる口腔内の清掃が難しいことが挙げられます。また、見た目にも影響し、自信や口元の美しさへのコンプレックスを抱くこともあります。

成長期の子供に対しては早期治療が有効です。ただし、個々の症状や年齢によって治療方法が異なるため、歯科医師に相談し、適切な治療プランを立てることが重要です。早めの治療で、健康な噛み合わせと美しい口元を取り戻しましょう。

受け口で悩んでいる

受け口(下顎前突)とは

上顎に対して下顎が出ている状態を言います。遺伝によるものが大半を占めるといわれており、ヨーロッパのハプスブルク家がこの遺伝子を持っていたことでも知られています。また、幼少期に舌の力が弱かったり、下顎を突き出すような癖があると、なりやすいとも言われています。

下顎前突があると、前歯で食べ物を噛み切ることが出来なくなる他、顎関節症になりやすく、特定の音が発音しにくくなるなどの症状がでることがあります。

軽度の反対咬合は6歳頃までであれば、マウスピースのような装置を使って改善することもできますが、重度の反対咬合は大人になると、外科手術が必要になる場合もあります。 下顎は成長期に急速に成長します。顎の成長に問題のある反対咬合の場合は第二期成長期前に治療を開始することが重要です。

でこぼこしている

歯のでこぼこ(叢生)とは

歯が重なりあったり、でこぼこしている状態で、乱ぐい歯、ともいいます。審美的な問題が大きいだけでなく、重なり合った部分が虫歯や歯周病になりやすく、口臭が出やすいとも言われています。歯の大きさに対して、顎の発達が不十分であるため、歯がきちんと並ぶスペースが足りず、でこぼこになってしまう場合が多いです。

成長期前のお子様であれば、歯列弓を広げる処置を行うことでスペースの確保ができることもありますが、大人で強い叢生がある場合は、抜歯によってスペースを確保しなければならないこともあります。

すきっ歯で悩んでいる

すきっ歯(空隙歯列)とは

歯と歯の間に隙間がある状態を言います。歯の大きさに対して、顎の骨が大きい場合や、歯の本数が少ない場合、舌が大きい場合などに起こります。歯と歯の間に物が詰まりやすく、発音障害が出ることもあります。

物が挟まりやすいと虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。適切に治療を行うことで、綺麗な歯並びにすることができます。ただし、お子様の場合、歯と歯の間に空間があるのが正しいという時期もあります。

歯がしっかり閉じない

歯が閉じない(開咬)とは

噛んだ時に前歯が閉じ切らない状態を言います。奥歯が必要以上に伸びていたり、前歯の生える方向が正常でない場合、骨に異常を認める場合などがあります。小児期の指しゃぶりや舌を前に突き出す癖などが関与していることが多く、習癖がある場合には、それを取り除く必要があります。

また、骨格に異常がある成人の場合、非常に治療が難しく、外科手術が必要となることもあります。噛んでいる歯が通常より少ないため、噛んでいる歯の負担が大きく、顎関節症になりやすいと言われています。痛みが出てしまったり、噛んでいる歯が虫歯になってしまうと食事を摂るのが困難になるため、できるだけ早期に治療が必要です。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪い
(交叉咬合)とは

噛んだ時に上下の歯が左右でずれてしまったまま噛み込んでいる状態を言います。歯が出てくる方向や位置のずれ、頬杖などの習癖が主な原因と言われています。噛み合わせや顎を動かす時に歯がぶつかってしまうと、顎関節症を引き起こすことがあります。

左右で噛み合わせが異なることにより、左右非対称の顔貌になってしまうだけでなく、食事がしにくいなどの弊害が起こります。お子様の場合は早期に対処することで解消できることもあります。

口元が出っ張っている

口元が出っ張っている
(上下顎前突)とは

上下の歯が唇の方に倒れていて、唇を閉じにくい状態を言います。口唇を閉じる「口輪筋」という筋肉の働きが弱く、舌を突き出す力との均衡が取れていないこと、もしくは上下顎両方で歯が並ぶスペースが足りないのが原因と言われています。

口元が突き出たような印象を与える他、口唇を閉じるのが困難であることから、口の中が渇きやすく虫歯や歯周病になりやすいというデメリットがあります。きちんと治療することで、美しい横顔を手に入れることができます。

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